「どぉぉぉううわぁぁぁぁぁぁ?!!」
背後から飛び交う無数の鉛弾の中を俺達は走っていた。
「えれぇ事になったなぁ、ケイト」
「ええぃ!!お前がドジらなきゃこーはならんかったんだろーが!!」
「まー、そーゆーなって。あんまし怒ってばっかだと長生きできんぞ」
「この状況で言うせりふかぁぁぁぁぁ!!!!」
走りながら絶叫する。なんでこんな目に俺が・・・・・・。
「――――――儲け話?」
「そ。儲け話」
にこやかにその「儲け話」のネタを手の中で弄んでいる。こいつの持ってくる
「儲け話」がろくなモンじゃない事は分かっていた。分かっていたはずだった。
「今度はなんだ?言っとくが、もー二度とお前の話にゃ乗らんからな」
「ええっ?!」
俺の答えに何やらショックを受けたらしい。
「親友の俺が頼んでるのに?」
「・・・・・・レオ」
「んあ?」
「俺はお前を友人だとか思ったことは一度もないぞ」
そう言い放つと、目の前のイタ公はがっくりと膝を突いた。
――――――レオナルド・ハールヴィンス。相変わらずノリの軽い奴である。
「ケイトぉぉ、頼む手伝ってくれよぉぉぉ」
「泣き付くな!!!!鬱陶しい!!!!!」
「頼むよぉ。ケイトぉ」
「あーー!!うるせぇ!!!!聞くだけ聞いてやるから!!!!!」
そう叫んでから――――――にやりと笑うレオを見て後悔した。
「ともかくなんとかしろ!レオ!!」
「うーん、コレはあんまし使いたくなかったんだが・・・」
「いいから!!」
ぽいっとリュックから烏龍茶の缶を取り出して後ろに転がす。
「さん・・・・・・にい・・・・・・」
カウントダウンをしながら突如、角を曲がる。
「まさか・・・・・・?!」
「伏せろっ!!」
「まさかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
がごぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんんっっっ!!!!
弾けたはずの鼓膜にぱらぱらという、コンクリートの破片が転がる音が何故か聞こえる。
「うーん、やっぱニトロの量、間違えたかな?」
「うーん、じゃねぇだろがっ!!!」
がばっ、と跳ね起きる。
「てめぇ!『隠密行動』ってのはドコに行った?!『隠密行動』ってのは?!」
「えーと・・・・・・」
ぽんっ、と手を打って、指を立てる。
「行動目標」
「いっぺん死んでこい、お前わぁぁぁぁぁ!!!!」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ
デリンジャーの軽い発砲音が今にも割れそーな俺の頭に響く。
「あ゛、やべ」
見ると血まみれのレオが倒れている。なんか眉間のあたりからたぱたぱ流れてたりもする。
「っっ痛ー。いきなし人のド頭撃つこたねーだろが」
「うるせ。大体そのくらいで死なんだろが、お前は。ともかく脱出するぞ」
「おいおい、待てって」
何はともあれ、何とか無事に(?)その建物から俺達は逃げ出したのだった・・・・・・。
「・・・・・・納得いかんぞ」
「なんで?」
これくらいで当然、といった顔で聞いてくる。
「これでギャラがたった1300ドルってのは納得できんぞ」
「いーじゃん。危険手当出たし」
「手当ってたったの300ドルじゃねーか!!」
べしっ、と給料袋を叩き付ける――――――なぜか日本語で「芽木戸慶人 様」と――――――言い忘れてたが、
俺の本名だ――――――書いてある。
「タダ働きよかマシだろ?」
「仕事と報酬が釣り合わんとゆーのはかなり問題だと思うが」
「まー、今回はちっとハードだったけどな」
「どっかのバカが『いちいちバラすのが面倒だ』とかぬかして防犯装置撃ち抜いたせいであーなったと思ったが」
「はっは。んなことやっちゃったらマズイだろ。ケイト」
「やったのはおのれだろがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!」
俺の絶叫にレオはけほん、と咳払いをした。
「それはさておき」
「さて置くよーな事か、おい」
半眼でうめくが、聞いていないようだ。
「ケイト宛てにこんなもんが届いてたんだが」
そう言って小包を取り出す。
「・・・・・・爆弾じゃねーだろな?」
「まー、だいじょぶなんじゃない?『From City.Mitaka.Japan』って書いてあるし」
「先に言えよ。ったく」
三鷹と言えば俺の地元である。そこから送ってくる物といえば、決まっている。封を切ると、
中からは数冊の雑誌とビデオテープが入っていた。
「・・・・・・相変わらずの『Japanimation』か。」
「当たり前だろ、こっちじゃ観れないんだから」
「だから眼鏡輝かして言うなよ、まったく」
そうは言っても、好きなものは仕方がない。
「ま、ホドホドにしとけよ」
「そだな、報酬はこれの送料プラスでチャラにしてやる」
「あー、それはちょっと・・・・・・」
「うるせ黙れあんな仕事持ってきたんだからそれぐらいで済んで喜ぶべきだと思うぞ、俺は」
「わかったよ」
「じゃ、よろしく」
こうして、ごくたまにある俺の日常は終わっていったのだった。
「・・・・・・そーいや、今回の仕事ってなんだったんだろ・・・・・・」
To Be Continued......